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■記憶が飛ぶ
ショックなこと、衝撃的な出来事に出会うと、人はフリーズします。
唖然となる、固まる、頭が真っ白になる、絶句する、、、
いろいろな表現がありますが、要は動けなくなり、思考停止状態になるのです。
強い電流が流れると電気のブレーカーが落ちる仕組みのように、脳神経には強すぎる刺激を外に逃がす機能があるらしく、そうなると文字通り「頭が真っ白」になり、後になって、その時のことがよく思い出せない、というようなことも起こります。
そう、「記憶が飛ぶ」のです。
■複雑性PTSDが市民権を得たのは最近
ショックな出来事が1度のことなら、本人も「あの時のあれが原因で」と特定しやすいのですが、 それが何度も、あるいは日常的に繰り返されたりすると、その期間の記憶がすっぽり抜けていて思い出せなかったり、ぼんやりしていて実感がない、という風になります。
これが、複雑性PTSD、複雑性トラウマと言われるものです。
子どもが大人になる過程で、家族の中で起こるトラウマ体験を、私たちは「家族トラウマ」と呼んでいますが、これは複雑性トラウマの代表です。
複雑性トラウマは、2018年のICD-11ではじめて、単一性トラウマ(PTSD)と区別されて記載されました。
つまり、まだ最近の話です。
■複雑性PTSDの治療は難しい
複雑性トラウマは、単一性トラウマのように、原因になっているところを特定してそこを治療する、というような単純なアプローチがとれません。
原因不明の不安、不調、落ち込み、生きづらさ、そういったものが、どこから来るのか、いつからあるのか、よくわからない、、、 複雑性トラウマは、「あの時のあれ」という風に特定できないので、表面的な問題や症状にとらわれて、根本的なところに手が届かないということも起こりやすくなります。
■家族トラウマの治療が特別な理由
ICDに採用されたことで、複雑性トラウマの研究も進み、同時に家族トラウマへの認識も広まりつつありますが、それでもまだ、家族の問題について適切にアプローチできる専門家は多くありません。
なぜなら、専門家の誰もが自分の親を持ち、家族の中で育ち、無意識の領域で大きな影響を受けていますが、そのことに気づくことは、専門的な技術の習得や経験だけでは難しいからです。
その無意識に浸透している影響を深く理解してはじめて、客観的に他人の家族の問題を扱えるようになるのです。
専門家がそのために受けるセラピーを「教育分析」「教育セラピー」といいますが、日本ではまだ、養成プログラムの中で義務付けられていないところが多いのが現状です。
そういうわけで、複雑性トラウマ(複雑性PTSD)、その代表ともいえる家族トラウマは、適切に扱える専門家を選ぶことが大切なのです。
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■記憶が飛ぶ
ショックなこと、衝撃的な出来事に出会うと、人はフリーズします。
唖然となる、固まる、頭が真っ白になる、絶句する、、、
いろいろな表現がありますが、要は動けなくなり、思考停止状態になるのです。
強い電流が流れると電気のブレーカーが落ちる仕組みのように、脳神経には強すぎる刺激を外に逃がす機能があるらしく、そうなると文字通り「頭が真っ白」になり、後になって、その時のことがよく思い出せない、というようなことも起こります。
そう、「記憶が飛ぶ」のです。
■複雑性PTSDが市民権を得たのは最近
ショックな出来事が1度のことなら、本人も「あの時のあれが原因で」と特定しやすいのですが、 それが何度も、あるいは日常的に繰り返されたりすると、その期間の記憶がすっぽり抜けていて思い出せなかったり、ぼんやりしていて実感がない、という風になります。
これが、複雑性PTSD、複雑性トラウマと言われるものです。
子どもが大人になる過程で、家族の中で起こるトラウマ体験を、私たちは「家族トラウマ」と呼んでいますが、これは複雑性トラウマの代表です。
複雑性トラウマは、2018年のICD-11ではじめて、単一性トラウマ(PTSD)と区別されて記載されました。
つまり、まだ最近の話です。
■複雑性PTSDの治療は難しい
複雑性トラウマは、単一性トラウマのように、原因になっているところを特定してそこを治療する、というような単純なアプローチがとれません。
原因不明の不安、不調、落ち込み、生きづらさ、そういったものが、どこから来るのか、いつからあるのか、よくわからない、、、 複雑性トラウマは、「あの時のあれ」という風に特定できないので、表面的な問題や症状にとらわれて、根本的なところに手が届かないということも起こりやすくなります。
■家族トラウマの治療が特別な理由
ICDに採用されたことで、複雑性トラウマの研究も進み、同時に家族トラウマへの認識も広まりつつありますが、それでもまだ、家族の問題について適切にアプローチできる専門家は多くありません。
なぜなら、専門家の誰もが自分の親を持ち、家族の中で育ち、無意識の領域で大きな影響を受けていますが、そのことに気づくことは、専門的な技術の習得や経験だけでは難しいからです。
その無意識に浸透している影響を深く理解してはじめて、客観的に他人の家族の問題を扱えるようになるのです。
専門家がそのために受けるセラピーを「教育分析」「教育セラピー」といいますが、日本ではまだ、養成プログラムの中で義務付けられていないところが多いのが現状です。
そういうわけで、複雑性トラウマ(複雑性PTSD)、その代表ともいえる家族トラウマは、適切に扱える専門家を選ぶことが大切なのです。
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